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学長からのメッセージ




 九州栄養福祉大学は、平成23年度より2学部3学科となり、これに伴い平成24年度から大学院修士課程はこれまでの食物栄養学研究科食物栄養学専攻を健康科学研究科健康栄養学専攻に名称変更することとなりました。 設置当初の「食」を通して福祉を実現するという教育研究目標を深化させるために、リハビリテーション学部の教育内容を取り入れ大学院の教育研究の充実を図ります。人間の健康を食と栄養の観点のみならず、健康生活の維持及び疾病や事故によって身体機能に障害を有するクライエントの生活再建、社会参加まで積極的に支援できるように大幅に拡充した教育研究内容です。 食と栄養による健康保持とともに、リハビリテーションを通じての身体機能の維持あるいは回復を図ることができるより高度な大学院教育を行います。
  私たちの目指すところは、人間生活の基礎となる「食とリハビリテーション」を連動的に捉える教育研究システムであり、少子高齢化社会を支える健康づくり・障害予防・障害者支援を含めた高度専門能力を有する人材育成であります。
 本学は以上のような教育研究内容と建学の精神「筑紫の心」に賛同する学生を受け入れることをアドミッション・ポリシーとしています。

両学部(食物栄養学部、リハビリテーション学部)の『研究紀要』発刊にあたって
九州栄養福祉大学 
学長 室井 廣一 
 設置準備室長として九州栄養福祉大学食物栄養学部を設立した頃に、これからの少子高齢化社会を支えていくためには「食」だけではなく運動機能を担当する人材養成が必要であるということを痛感した。食した後に動く・動かすということが健康生活には重要であるということである。管理栄養士だけではなくリハビリテーション、特に予防的リハビリテーションの重要性に思い至った。予防リハビリと言うと、肉体的事故、障害のリハビリという概念に矛盾しているようにも思えるが、高齢化による元来の機能喪失をできるだけ阻止回復するというように考えればそれなりに理解されないこともあるまい。無論、予防リハビリだけでなくリハビリそのものに食の果たす役割は大きいものがある。
 更に食べて動いていくにはその目的のようなものがあったほうがいい。生活の目標、人生の目標、生きる意味、生き甲斐であり大げさに言えば生涯を貫く天命、天職、務めといったことである。食して動く・動かすテーマである。これはできれば自分で探し見つけることが望ましい。そしてもう一つ、食べて動いて目標実践する前後の(した後のアフターケアーと考えてもよい)心身、環境のお掃除である。要するに健康生活には、食して、固有の目標に向かって動き、そしてその前後の整理整頓・片づけということが肝要であり、この他に基本的なことと言えば排泄と睡眠であろう。大切なことはこれらを日常生活の中で一体的に捉え実践する視点である。
 このように考えて、これらの内容を指導できる「食とリハビリ」の専門的人材養成が重要であると当時漠然と考えていた。ちょうどその頃、日本リハビリ揺籃の地の九州リハビリテーション大学校の継承開学の話があり、様々な人の尽力をいただき専門学校として継承することとなった。そして今年は九州栄養福祉大学のリハビリテーション学部として発展開学することができ、更に「食とリハビリ」の大学院・健康科学研究科も認めていただいた。
 このたびは、これまで念願していた食とリハビリ両学部の研究紀要が発刊でき、いささか感無量である。本研究紀要が前述してきたような食とリハビリ並びにその関連性の方向性をもって幅ひろく教育研究上に貢献発展していくことを信じるものである。
 我々は創設者の求めたる「魂の教育」に向かって少しなりとも前進していくために、魂の入った実学教育・「魂の実学教育」を実践し「食の番人」「リハの番人」ひいては「健康生活の番人」たる自覚を有する管理栄養士、リハビリの療法士を育てていかなければならない。その成果発表の場として本誌は大きく期待されているのである。

九州栄養福祉大学研究紀要「第8号」(平成23年12月22日発行)より転載