タイトル
竜馬がゆく
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- 著者名
- 司馬 遼太郎
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- 出版年
- 1998年文庫 (1963年単行)
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- 出版社
- 文藝春秋
私の父は大正生まれで、旧満州の撫順で育った。
旧制中学校を終え、選んだ進学先は高知高等学校。
はるばる満州からやってきた理由は坂本龍馬を慕ってのことだったという。
その話を幼い頃から聞いていた私も、いつしか龍馬という人物に憧れを持ち、10代には彼に纏わるたくさんの本を読んだ。
1835年(天保6年)に高知で生まれた龍馬は19歳で故郷を離れ、1867年(慶應3年)31歳で京都、河原町蛸薬師で暗殺者の刃に倒れた。
その間、北辰一刀流の剣術を学び、航海術を身に付け、江戸時代から明治への無血革命を支え、同時に広く世界との貿易を模索した。
斬新な発想で新しい時代を切り開いた龍馬だが、彼自身はこの日本という国から一歩も出たことが無いのも面白い。
大学の図書館で司馬遼太郎の「竜馬がゆく・文庫全8巻」を見つけて数十年ぶりに読み直すと、彼の生きざまは一層輝きを増し、その奇想天外な発想と人への温かさに再び魅せられた。
彼が生きた倍の時間を過ごした私なのに、憧れや尊敬の思いは尽きない。
坂本龍馬という若者と出会わせてくれた沢山の本に感謝してる。