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2025.01.10
縄文の森と知識の森 クリの絵本

タイトル クリの絵本

  • 著者名
    荒木 斉【編】、川上 和生【絵】
  • 出版年
    2007年
  • 出版社
    農山漁村文化協会(農文協)

縄文時代の食は「魚介類や獣肉」という理解が長く続いていたが、三内丸山遺跡(青森)の発見によって、大きく覆された。
集落の周りにはたくさんの「クリやクルミ」の木々があり、森を成していたからで、
こうした堅果類も随分と食されていたと考えられるようになった。

日本のクリは世界的に見ても大きくて美味しい実が付くが、
それは1万年以上も続いた縄文時代によいクリの木が選別され、育てられていたから、といえそうである。
 

荒木・川上「クリの絵本」(農文協 2007)は、こうした歴史からはじまり、
クリの育て方、クリの品種、料理法、海外の話題、木材としてのクリなどのトリビアが満載の本だ。
クリ愛に満ちた一冊といってもよいだろう。

農文協の「そだててあそぼう」シリーズはどれも面白いが、それが全冊ある本学の図書館もなかなかすごい。
身近にある、知識の森である。


 

本の推薦者

教授 田畑 純 たばた まこと
  • 学位
    博士(学術)
  • 専門分野
    組織学、口腔組織発生学
  • 研究分野
    歯の組織構造・発生・進化、エナメル芽細胞の分化機構、魚鱗の組織と発生、乳食と乳食嚥下の進化
  • 主な担当科目
    解剖生理学Ⅰ・Ⅱ、解剖生理学実習・実験